彩り色取り

●なんか自分でも忘れかかってるけど、一応絵描きでもあるので画材のレビューでもしてみようと思う。今回はカラー。

▼水性カラーインク
先ずアナログ画材の王道。うちは類に漏れずドクターマーチン使用。現在の地元では売ってなくて、ある程度揃えられたのは静岡に移住してから。発色は最高にいい。だけど、大半の色に蛍光色が使用されている関係で、印刷には余り向かない(蛍光色や金銀などは、印刷の際に大抵淀んだ色になります)。塗り方は大抵一通りで、彩色する場所に先ず水を塗り、それが乾く前にインクを乗せて伸ばしていく。定着力も強いので、こうしないと色むらが激しい。

▼耐水性カラーインク
文字通り乾くと水に溶けなくなる。それ以外はほぼ水性に同じ。ペン先につけてカラーの線を引くという用途にも使えるが、主線用の王道である証券用などに比べるとシャープな線は引きにくい。また、うちは髪の毛の彩色にかなり薄めたものを何度も重ねていくという使い方をした事もある。色合いは水性に比べると地味。うちはヌーベルのものを愛用。

▼透明水彩
言うなればカラーインクを絵の具にしたという感じ。普通の絵の具より透明感はありますがそれでも所詮絵の具。使い方はそれほどクセが無いのが救い。絵の具が使えるなら同じ感じで使えます。カラーインクよりも重厚感が出しやすい。うちはどこの使ってたっけ...。ホルベインだったのかなぁ。クサカベではなかった。

▼不透明水彩
そのまんま。透明感の薄い絵の具。馴染みの無い名前に聞こえますが、小学生の頃の通過儀礼のようなものである「サクラマット水彩」はこの不透明水彩。不透明なので重厚感は出しやすいが、一方で立体感を出しにくい。不透明だけど水溶性なので重ね塗りにも余り適さない。まぁ使いやすさと入手しやすさが非常に宜しい。うちも受験後一発目の投稿イラストはサクラマット水彩で描き上げた。しかもイラストボード。小学生の頃、先生から「絵の具は可能な限り混ぜて使う。塗る時も伸ばすのではなく筆を置くように塗る」と教わったが、それも良し悪し。うちは原色のままの絵の具を活用し、タッチをつけるように塗った絵で県から受賞された事もある。

▼水性マーカー
無論、直接塗ってもいいけど、それだと色むらが激しくてとてもじゃないけど鑑賞に堪えない。ここで出てくるテクニックが「水溶き」。マーカーをパレットなどにががーっと塗りつけ、それを筆と水で溶いて塗る。塗り方はカラーインクに準ず。中学の頃はカラーインクは手に入らず、それ以前にお小遣いでは間に合わないので、専らマーカー水溶きがメインのカラー彩色だった。愛用はマービー。安いだけあり揃えるのも楽だが、一方でカラーインクと比べると余りにも見劣りしてしまう色。なお、このテクニックは鳥山明が使ったことで爆発的に広まった。

▼色鉛筆
簡単そうで、かなり難易度の高いカラー画材。普通に塗るとどうしてもペンタッチが出てしまい、雑な印象を与えがち。均一に滑らかに塗る場合、「軽く」「何度も色を重ねる」という根気の要る作業になる。愛用は色辞典。だがVIVIDパックは芯がもろく、鉛筆の内部でバキバキに折れてしまったりしてなかなか使えなかった。水を用いない乾燥彩色が出来るというのは実はかなりのアドバンテージ。なお、カランダッシュのように水溶性の芯を持った色鉛筆もあり、塗った後に水を含ませた筆でなぞる事で水彩のような効果も出せるらしい。使った事無いけど。普通の色鉛筆も、油絵の具に用いる溶き油を使えば同じ事は出来るらしい。なお、用紙の状態を非常に強く受ける画材でもある。キャンソンなど立体感のある紙だと浮き彫りのように紙の模様を強調してしまうので、なめらかな塗り上がりにしたければケントなどのさらっとして平面の紙を用いるべき。

▼パステル
エドガー・ドガが愛用した事で有名な画材。うちが持っていたのは相変わらずヌーベル。要するに色の粉を押し固めた、チョークみたいな感じの物体。チョークで絵を描いた事もある人なら分かるとは思いますが、これも特に色むらが出易い。しかしそれは直接塗りつける場合。うちの使い方はトーンナイフで削り、粉状にしたものを彩色範囲に落とし、上からティッシュでこすりつけて定着させる。こうするとふんわりした出来になります。なお、画材店にはサッピツという物がありますが、これは正直必要無し、ティッシュと、細かい部分への綿棒で事足ります。

まぁ、うちが主力として使ったのはこれくらいでしょうか。リキテックスとかコピックも持ってたけど、あれは結局使いこなす前に挫折した。それが今や彩色はPC完全依存。もうインクも固まってるだろうなぁ(笑)10年以上使ってないはずだし。

おまけ:何故かアダルト商品扱いの透明水彩

 

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●だが己の血液で描き上げた蜈蚣Melibe女史に比べればまだ甘い。我が偉大なる総統などは(中略)ゆえ精進せよ。

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このページは、九石はくねが2010年11月15日 22:08に書いたブログ記事です。

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