deepseagirlsの最近のブログ記事

●さて、最近完全に絵描きをさぼっている私、ちょっとpixivを使ってみたいんだけど描くのは面倒くさい。じゃあ前に描いたので茶を濁そうと思ってぺたぺた。
闘神都市限定版のテクノポリス復刻版に投稿した絵。アナログ絵描きなんて10年ぶりくらいだったょ。
これはブログでも掲載した絵だけど、大きめの画像で。
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●時間はあるが艦これやイルルカで忙しいだけであろうこのゲームポンチめが。罰として巻雲の絵を100枚描け。
●なんと昔描いた深海娘をアレンジしてくれるという酔狂な嬉しい事案が。こういうディフォルメされると可愛く感じるなぁ。カイコウヤドリゴカイまで描かれるとは思ってなかったけど(笑)なお、うちのツイッターのアイコンはナギナタシロウリガイのを使ってます。
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●まぁ、人生パロられるうちが花である。逆に貴様もパロを追及せよ。

●相変わらずなんとなくやってみる。
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カイコウオオソコエビ/Hirondellea gigas
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さて、五回目にして未だに深海魚を出さない私もアレですが我が道を行く事にします。
深海。定義は様々ですが、シンプルに考えれば「とっても深い海」です。では、いちばん深い場所は何処なのでしょうか?これには回答が出ています。太平洋、それも日本にも近いマリアナ海溝、チャレンジャー海淵です。この名前は、最初にこの海溝に挑んだイギリスの潜水艇「チャレンジャー8世号」に因んで名付けられました。その深さ、10,000m超。この深さにも色々な思惑が錯綜しまして、チャレンジャーは10,863m、当時ソ連の「ヴィチャージ」が11,034mと、東西で意地の張り合いが続きましたが、それを仲裁したのが日本の「かいこう」の調査した10,911mであるというのは何とも皮肉な話です。
なお、1960年1月23日、イタリアの潜水艇「トリエステ号」が有人探査艇としては史上初として、このチャレンジャー海淵の底へ到達しました。しかし、肝心な搭乗員の発言には「海溝の底にヒラメやエビが生息している」というものがあり、その点にやや信憑性を見出さざるを得ません。ユメナマコの際にも触れた通り、硬骨魚類の生息限界はおよそ7000m前後です。しかも、海の底に棲んでいるヒラメにしても、深海性のものについてもせいぜいが数百mレベル。深海生物学的に、そんな超深度にヒラメが居るとは思えません。
そうなるとエビはどうか。これは、厳密には違うのですが、事実は「有り」なのです。そう、チャレンジャー海淵の底に、エビはいるのです。それこそが、この「カイコウオオソコエビ」なのです。まぁ、「エビ」と名付けられていますが、正確にはエビではありません。エビはエビでも、車海老やブラックタイガーのような有名なエビ、即ち「十脚類」ではなく、遠縁に当たる「ヨコエビ」の仲間です。森林の落ち葉の下から海岸まで、ヨコエビの生息域は多岐に渡りますが、それが更に世界最深のこんな場所にも生きているのです。事実、こんな超深度に魚の切り身などを籠に入れて放置しておくと、ぞろぞろと集まってくるくらい。現時点で、この深度で生息が確認されている生物には、ほぼ水で出来ているナマコ以外にはこのカイコウオオソコエビくらいなものです。当初、こんな深海には生物など生きている筈が無いと思われていましたが、事実は反対。しっかりと生物は生きていたのです。なお、地上などで普通に見付かるヨコエビはせいぜい1?程度ですが、カイコウオオソコエビはその名の通り4?にもなります。深海では、理由は不明ですが、浅海よりも巨大化する種が数多く存在します。カイコウオオソコエビはその一つとも言えます(もう少し深度は上がりますが、ヨコエビの仲間で10?を突破する種もいたりしますが)。
ただ、現在ではトリエステのように非効率なチャレンジャー海淵への調査は無くなり、大抵は無人探査艇による調査が主になりましたが(なにせ、トリエステは浮上するだけで3時間以上かかるので、海底には30分も居られないのです)、それでもこの子達は超深海に適応し過ぎて、常圧常温では生きられないのです。よって、地上での飼育は悉く失敗しています。というより、身体の大半が脂肪分なので、常圧常温では中身が溶けて流れ出てしまうのです。なお、脂肪分で浮力を得るというのは深海では常道で、所謂魚の「浮き袋」も、深海魚では空気の代わりに脂肪が蓄えられていたりします。脂肪の浮きは実はかなり現実的で、水より軽くて水圧の影響を受けにくいという事で、こと超深海の遊泳性の生物では多く採用されているシステムです。カイコウオオソコエビもそれを採用し、海底の上をその浮力で泳ぎながら、餌を探し回っているようです。「ようです」としたのは、上記の理由で、詳細な生態が未だに解明されていない為です。地上では生きられず、調査艇が長居が出来ない超深海でしか生きられない。さまざまな研究から、カイコウオオソコエビは人間に無い消化酵素「セルラーゼ」を持つというのも興味深い情報です。セルラーゼは主に草食動物が持つ消化酵素で、セルロースという、植物に多量に含まれる食物繊維を分解し、糖分に変換する酵素です。ぶっちゃければ、紙はセルロースの塊で、紙を食べるヤギはこの酵素のお陰で紙を糖分に変えられるというところです。話は戻りますが、このセルラーゼが、地上に生息するこの子の先祖のヨコエビが元々持っていたモノなのか、或いは食物も乏しい超深海で、沈んできた植物性のモノ(流木とか)を栄養素に変換する為に発展したのか。そればかりは、本人達しか知らないのです。


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●良い。脂肪も場所によりけりで美点である。まぁ、乳以外に脂肪が増えて評価される部位は無いのだが。

●なんか絵のリハビリだった筈なのに主旨が意味不明に。
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ナギナタシロウリガイ/Calyptogena phaseoliformis Metivier
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さて、特殊な深海環境として、鯨骨生物群集、熱水噴出孔生物群集と語りましたので、もう一つの「湧水生物群集」をば紹介致しましょう。この環境は文字通り、深海の「湧き水」を中心とした生物群集です。
深海には「海溝」という場所があります。文字通り、海の溝なのでかなり深いです。そういう場所の出来方の一つとして、大陸プレートの移動があります。二つのプレートがぶつかる部分では、片方のプレートが下の方に潜り込んでいくので、そこは溝のようになります。これが海溝です。そして、プレートは潜り込んでいく時にいろんな有機物を巻き添えにするので、地下に有機物がいっぱい潜り込んでいきます。そうなるとそういった有機物は菌の働きなどもあって、メタンへと作り変えられていきます。こういった深海の湧き水には、こうして大量のメタンが存在するのです。深海のような高圧状態では、メタンと水が混じったものは白いシャーベット状になり、俗に「メタンハイドレート」というものになります。氷みたいですが燃えるという楽しい物体ですが、次世代エネルギー源としても注目される面白物体でもあります。
また、メタンは海水中の硫酸イオンと反応する事で、硫化水素を発生させます。ここで硫化水素です。熱水噴出孔と同じシステムがここでも発生するのです。こっちは水温が低いので、同じ様相とはいきませんが、一部の生物には、湧水と熱水噴出孔に共通して生きている子もいたりします。シロウリガイはその共通生物の代表格。種類もいっぱいいますが、大抵は体内に硫化水素を利用する菌を共生させて、半分くらい砂の中に埋まって生きています。地面の下に伸ばした足から硫化水素を吸収し、菌に与えて栄養を貰って生きているのです。
なお、硫化水素は酸素よりもヘモグロビンにくっつき易いので、人間にとっては毒ガスです。硫化水素を利用する子でも、酸素呼吸しますので、そのままでは死んじゃいます。なので、こういう子は血液、というか赤血球が特殊な形になってます。赤血球が巨大化したり、硫化水素専用の蛋白質を別途用意したり。
さて、ここでそんな子の一種、ナギナタシロウリガイ。この子は硫化水素を運ぶ別ルートを持っているのです。まぁそれでも、ヘモグロビンは持っているので、貝殻を開くとまっかっか。まっかっかな貝としては寿司ネタで御馴染みの赤貝がありますが、ナギナタシロウリガイは味はホタテっぽくて、とろりとして甘いらしいですが、一方で硫化水素臭いので余り美味しくはないそうです。味は兎も角、ナギナタシロウリガイはシロウリガイの中でもかなり深い海に棲む子です。6000mクラスの日本海溝沿いの湧き水区域にぐわーっと大群で棲んでいます。シロウリガイの中でも、特に深い水域に住む子達です。ただ、余り水圧が高いと、貝殻の炭酸カルシウムが海水に溶けやすくなるので、貝殻がとても脆いのです。深海艇などのアームで掴もうとすると、簡単にぺきょっと割れてしまい、ヘモグロビンいっぱいの血液がぶわっと広がる惨状になってしまいます。
また、ナギナタシロウリガイには、カイコウヤドリゴカイという真っ黄色のゴカイが寄生している事があります。このゴカイもかなり特殊な形態をしていまして、今でもさかんに研究されている謎の子です。硫化水素を利用する菌をはべらせている一方、他の子にも寄生されているナギナタシロウリガイ。懐が大きいのか、無頓着なのか、はてさて。

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●第四回にして早くも末期症状であるな。もう少し適当な奴の擬人化で留めておけ。

●さて、ネタなのに何処に行くのかまるで見当がつかないシリーズ。
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ウロコフネタマガイ/Crysomallon squamiferum
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#1で述べた「鯨骨生物群集」ですが、こういった特殊な閉鎖環境での生物群集として、もっと昔から有名だったものに「熱水噴出孔生物群集」があります。文字通り、深海底から熱水(高水圧の為、数百度という温度ながら液体の状態)が噴出する環境です。まぁ、ただそれだけでは深海の温泉、程度の認識になるとは思われますが、これが「深海である」というだけで、随分と様相が変わってくるのです。
先ず、深海という環境では日光はほぼ届かず、従って光合成というエネルギー産生手段が使えません。その為、大抵の生物はエネルギー源を上層からの沈殿物や他生物の死骸で賄わなければいけません。しかし、「日光に変わるエネルギーソース」があったらどうでしょう。それこそが、「熱水噴出孔生物群集」に生息する細菌類なのです。地上の温泉にも、しばしば硫黄泉が見受けられるように、このような熱水噴出孔は大抵の場合、多量の硫黄化合物を含んでいます。そういった細菌は、この硫黄化合物を利用して有機物を作り出すという、「光合成」ならぬ「硫黄合成」を可能としているのです。
そうして、深海底ながら、熱水噴出孔近辺は膨大とも言える有機物が存在するに至ります。深海の水温は概ね低いですが(ある程度より低い水深では概ね2℃位で平均するようです)、噴出する熱水こそ熱いものの、周囲はそんな低温なので、少し離れれば実に快適な温度になります。まぁ、これは普通の温泉でも、源泉は熱過ぎて入れない、という感じですね。こうして、深海の場所限定でありながら、熱水噴出孔近辺は非常に生物として過ごし易い環境にあるのです。生息する細菌を直截餌にする生物や、そんな細菌を共生させてエネルギーを得る生物など、その生態は多岐に渡ります。一説には、鯨骨生物群集との関連性も示唆されています。
さて、前振りが大幅に長くなりましたが、そこに来てこのウロコフネタマガイ。いえ、日本人でも「スケーリーフット」の方が馴染みがありますでしょうか。この子も熱水噴出孔生物群集の一員。まだ生態などは謎な部分が多いですが、消化管に硫黄合成細菌を共生させているという事で、その有機物を拝借して生きていると見られています。しかし、この子がセンセーショナルな話題をさらったのはそのような瑣末な事ではありません。この子は、普通の巻貝では柔らかい肉質である足の部分を、あろうことか硫化鉄て武装しているのです。人間も鉄を生命維持に用いていますが、それは殆どがヘモグロビンの酸素運搬能力のように、鉄という元素の化学的物性の利用でしかない訳です。そこに来てこのウロコフネタマガイは、物理的な防御手段として、硫化物とはいえ、金属質の組織を利用しているのです。実は、現在確認されている生物で、金属を「金属そのものとして」利用している生物はこの子しか発見されていません。しかも、今の所、インド洋の「かいれいフィールド」という場所からしか発見されていないレアな子。今後の研究の発展を願ってやみません。
なお、常温常圧下でも飼育に成功していますが、元々低酸素環境に適応し過ぎた為か、普通の海水だとすぐに鉄のうろこが錆びてしまうそうです。また、生きている間はうろこもしっかり持つようですが、死ぬと一気に錆びてしまうとも。そういった環境調製が難しい子なので、まだ確固たる育成条件などは確立していません。何体かのサンプルが日本の江ノ島水族館に運ばれたものの、数日で全員死んでしまったそうです。余談ですが、深海好きの私、この子が発見されるまで、熱水噴出孔生物群集にまるで興味がありませんでした。そんな私の好みすら揺るがした、深海の引きこもりのようなこの子が、いずれ生きた姿で普通に見られるようになって欲しいものです。

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●オオグソクムシやサツマハオリムシなど、あそこは深海マニヤにとっては何気に聖地であるからな。何気にゲイコツナメクジウオも展示されておったらしい。だがコリン星からは幾分遠いのがネックである。是非とも宝籤でも当てて近辺に棲め。

●だんだん絵の描き方を思い出してきた。
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ユメナマコ/Enypniastes eximia
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ナマコ、と言って何を思い浮かべるか。コノワタやクチコ、酢の物として酒の肴に供されるマナマコか、南国の海の暴れん坊、イカリナマコか。まぁ、けっこう地味なイメージかとは思われますが、深海のナマコは一味違う。海底にころころ転がっているだけではなく、泳ぎます。しかも、深海性ナマコの半分位は泳げるのです。
そんな中からユメナマコをチョイス。目の覚めるような赤色、頭部と尾部にあるヒレを使って、海中を優雅に泳ぐ。その可憐な姿から、この子を切手の図案に採用する国まであるくらい。まず、深海のナマコと言ってメジャーなのは、このユメナマコとセンジュナマコの双璧でしょう。実は、深海生物の生息域という点で、ある程度の深さから下はナマコ天国とも言えます。これは、単純に「深海魚」という高度な生物は、ある程度から下の深度では余りの水圧に適応しにくくなる為です。事実、魚として最深部に確認がとれた深海魚はシンカイクサウオで、およそ7000m前後ですが、ほとんどの魚は4000m程度で極端に種類が減ります。一方、ナマコはそれより深い水深では一気に主役級の繁栄を見せる事になります。これは、その身体を構成する「水分の量」が大きく関与しています。より水っぽい身体を持つ事で、水圧の影響を受けにくくなるのです。つまり、高度なパーツ構成を要求される脊椎動物などは、自ずと生息可能な深度が限定されてくるという事です。そこで浅い海のナマコとの対比ですが、マナマコやイカリナマコがしっかりとした肉質で構成されている一方、深海性のナマコはみんな半透明なのです。まぁこれは、同じく超深度で繁栄を見せる節足動物を除外すると、ほぼ全体的に言えるルールなのでありますが。
さて、そこでこのユメナマコ。写真はぐぐって見て欲しいのですが、半透明なのはまだいいとして、なんでこんなに鮮やかな赤なのか。これにもちゃんと理由があります。「海は青い」という命題に異論を唱える人はまぁあまりいないでしょうけど、「じゃあなぜ青いのか」というと中々に難しい問題に思えます。まぁ、理由は簡単で、可視光の範囲で、海水の中でいちばん減衰しにくい色が「青」なのです。逆に言うと、赤い光は海水中で長持ちしません。だから、深海生物は一部の例外を除き、「赤い色を認識出来ない」のです。食卓でおなじみの深海魚、キンメダイが赤いのも、そういう理由です。赤い色は見えない。ならば、身体を赤くしてしまえば、それは透明人間のような存在になってしまうのです。こうすれば、捕食者からは見えなくなってしまうのですから。
ちょっと話が脱線しましたが、ユメナマコはそういった超深海よりは、比較的浅めの深海をテリトリーとします(まぁ、それでも5000mクラスまで広く分布しますけど)。また、泳ぐナマコは多いと書きましたが、そのうち殆どは、海底の流砂や土砂崩れなどによる危険から逃げる為「止むを得ず」泳ぐ場合が殆ど。一方で、オケサナマコやこのユメナマコのように、積極的に泳ぐ子達はやっぱりというか少数派ですね。まぁ、それでも共通している点といえば食生活。これは深海云々というよりも、ナマコ共通なのですが、ナマコのごはんは、基本的に泥に含まれる有機物です。浅い海の子はそれでも泥が栄養満点なので、がーっと吸い込んで残りの泥を排泄するだけでけっこう充分。でも深海はそうはいきません。そもそも、プランクトンの豊富な浅い海とは違って、深海まで落ちてくる有機物なんていうのは本当に少ないのです。マリンスノーという言葉ももうメジャーになりましたが、それの行き着いた泥の上。そういった、深海底の泥の上に積った有機物を「デトリタス」と呼びますが、深海ナマコの餌はほぼこれです。それは海底を歩き回るセンジュナマコにしても、優雅に泳ぐユメナマコにしても同じ。ユメナマコも、泳いでばかりではなく、ごはんを食べる時は泥の上。そのデトリタスを舐め取るように食べ終えればまた泳ぐ。食生活こそ質素ですが、それでも華やいで見えるのですから、そこはそこ、深海のアイドルですね。

余談ですが、ナマコの分類に大きな役割を果たす要素に「骨片」という概念があります。これは殆どのナマコに当てはまるのですが、肉の中に「骨片」という組織がありまして、これを観察する事で、ナマコの分類が行われます。ただこれも全能のツールではなく、現在マリアナ海溝チャレンジャー海淵という、世界でいちばん深い海底にもナマコはいました。ただし、このナマコは超々深海に適応し過ぎて、身体の部品の殆どが水になってしまい、「骨片」すら存在しないようです。そんな状態なので、標本として採集も出来ず、現在でも映像でしかその存在を認識出来ないのです。まぁ、標本云々にしてしまえば、ユメナマコでも水分が多すぎて残念なもののようですけれど。

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●まぁそこはそれ、終わりの無いのが終わりであり、延々と続けて黄金体験せよ。まぁ、ある意味桃源郷という奴である。

●ちょっと絵のリハビリとして企画モノやってみるテスト。
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ゲイコツナメクジウオ/Asymmetron inferum
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深海生物の中でも、独自のカテゴリを形成する一つ、鯨骨生物群集。文字通り、深海に沈んだ鯨の死骸を中心に発展する独自の生態系です。この群集にのみ見られる生物の多くは死骸から発生するメタンなどを利用する細菌との共生関係にあります。このゲイコツナメクジウオはそういった共生関係を持たない、鯨骨生物群集特有の生物。ナメクジウオは、日本ではこの子を含めて4種が報告されていまして、他の3種はいずれもが浅い海の綺麗な水質でしか生きられません(その為、愛知県蒲郡市三河大島と広島県三原市有竜島は、ナメクジウオの生息地として天然記念物指定されてます)が、この子は何故か腐った鯨の死骸近辺でしか発見されていません。
また、ナメクジウオはウオとつきますが魚ではありません。原索動物、つまりホヤの仲間です。魚とは違い、脳も目も鼻も心臓もありません。しかし、「脊椎動物」という、人間を始めとする現在の生物の中心的カテゴリーの共通点、「脊椎」の元になる組織「脊索」を持っている為、人間、果ては脊椎動物の祖先として考えられています。
そうなると、一つの疑問点が浮上します。脊椎動物の遥か祖先に当たる筈のナメクジウオが、どういう経緯で子孫の系譜に当たる鯨の、それも死骸限定の生物へなってしまったのか。ナメクジウオの原型とも言える、カンブリア生物「ピカイア」の出現の際、当然ながら鯨は存在していません。それならば、現在の他のナメクジウオのように、いい環境で過ごすほうがずっと効率的です。
鯨の死骸を中心とするこの生態系は、鯨の死骸が分解され尽くすと、自然と消滅していきます。そして、また別の死骸を中心に発展するのです。現在では、浜に座礁して死んだ鯨を人為的に沈める事で、擬似的に鯨骨生物群集を作り出すという事も実践されています。ゲイコツナメクジウオの、その余りのアナーキーな生態も、いずれは詳らかになるのでしょうか。

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●拙者の目論見通りというか、結局は貴様自身がやっており本末転倒。しかし一発目のネタとしてはマニアック過ぎではなかろうか。

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