キネマ・ムジカ

なんとなく自分の好きな曲のPVをいろいろ見つけたので紹介します。
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Extra/Ken ishii
90年代のヨーロッパを中心としたテクノブームの中に突如現れるやいなや、方々で話題を掻っ攫った日本人アーティスト、ケン・イシイ。当初は日本でテクノ自体の流行が薄かったのですが、電気GROOVEなどの積極的なアプローチから日本でも徐々に認知。その最先鋒となったのが、既にイギリスはR&Sレコードの看板とまで成長したケン・イシイだったのです。本作はR&Sからのセカンドフルアルバム「JerryTones」から、冒頭を飾る名曲「Extra」。日本盤の初回限定版ではこのPVを収録したCD-ROMが付属されており、当時テクノヘッドではあったもののPCを未所有だった私は知人宅のPCで見せてもらったものです。本作はアニメーション作成であり、ジャパニメーションの金字塔「AKIRA」に於いて作画監督補だった森本晃司 が監督したものである。大友風味の退廃した近未来テイストの本作は10年以上経過した現在でも鑑賞に堪え得る出来である。余談だが、シングルカットされた「Extra」のWagonChristのリミックスは神。

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WINDOWLICKER/Aphex Twin
ご存知クリス・カニンガムの作品群の中で、円熟の域に達した本作。AphexTwinの支離滅裂系でありつつも理路整然としている混沌エレクトロニカに見事にシンクロした本作。クリス・カニンガムは概ね「キモい」映像が多い中、本作ほど明るいキモさを発している作品は意外と無かったりする。「WINDOWLICKER」自体のジャケがリチャードとナイスバディギャルのアイコラなのだが、本作はそれを映像でやってしまっている。とにかく凄い。個人的にAphexTwinロゴの傘ほしー!(笑)

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Come On My Selector/Squarepusher
これもクリス・カニンガム著作。音楽はAphexTwin以来の才能とされたSquarepusher。まー彼本人も失踪とかしててそのアレ具合な行動はリチャードも一目置いていることでしょうけど(笑)この作品以降、Squarepusherの曲はディープなエレクトロニカへとシフトしていくのですが、この当時は「ドリルンベース」という専門用語が作成されてしまったほどのパラノイアックなまでのビートを奏でる曲がメイン。この執拗なまでの打ち込みは今聴いても凄い。

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Freak/LFO
さて、クリス・カニンガムという才能が出現してからというもの、テクノやエレクトロニカのPVは曲との同期が重視されるようなスタンスにシフトしていく。本作はそれが顕著に出ている例だろう。LFO自体はWarpでも最古参アーティスト(というより、Warpをスターダムにのし上げたのがLFOだった、とも言える)なのだが、本作収録のサードアルバム「Sheath」はマーク・ベルのソロプロジェクトである(結成当初はジェス・ヴァーレイとのコンビだった)。しかしソロになったからどうだ、と言うほどの劣化はせず、というより進化しているのは流石大御所と言うべきであろう。んで、本作は登場人物はチャイニーズ、曲はブリテン、映像はハリウッド、みたいな渾然一体になった作品。恐らくは映画「MATRIX」の影響もあるであろうモーションは一見の価値あり。

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Gantz Graf/Autechre
さて、クリス・カニンガムの処女作はこのAutechreのPVだった訳ですが(Autechreからの感想は最悪だった、と本人も後に述べているが、あれはあれで良作だったと思うが)、本作の製作はクリス・カニンガムの弟子によるもののよう。本作はシングルとしては異例なことに、日本盤が出ている。しかも本作と、過去のPV二本収録DVD同梱。ちょっと値が張るので最初は見に回っていましたが、最終的に根負けして購入したり(笑)さて、本PVは端的に言ってしまえば、ミュージックプレイヤーなどで曲に合わせて変化するグラフィック(WMPとかPS2とかね)を3Dでやっているようなものです。これがAutechreのソリッドな曲調にマッチしていていい出来です。「Draft7.30」ではややオーガニックなメロディにシフトしたものの、個人的にはあんまり好きになれず、「Untilted」で路線回帰したのには諸手を挙げて喜んだものです。

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Now is the Time/Polysics
これは知人に教えてもらって知ったアーティスト。というより名前自体は知ってましたがCDは未所持でした。個人的に日本人アーティストはやや避け気味な私なんですが、これはいいですね。チープなメロディと音、リコーダによるサビ、そして安上がりのようでいて見事な同期を見せる謎の女性ダンサー(笑)これは日本人ならではのジョークとシリアスがミックスされたものです。日本人アーティストも捨てたもんじゃないですな。ケン・イシイも日本人だけどっ!

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このページは、九石はくねが2006年10月19日 00:01に書いたブログ記事です。

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