六月の音盤

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Yellow Fever: プレイズymo/SenorCoconut
様々な変名を使い分け、ジャンルを縦横無尽にカヴァーするチリ在住のエレクトロニカアーティスト、AtomHeartの変名の一つ、ラテンエレクトロニカの「SenorCoconut」が満を持してリリースしたYMOラテンカヴァーアルバム。過去にもKraftwerkをアレンジしたりで話題になりましたが、今作はYMOマニヤである私にはやはり入手しない訳にはいかず。所謂テクノポップであるYMOをラテン?という感じがするかもしれませんが、そこは大家。きっちりラテンミュージックへ昇華させています。まぁ、元々YMO自体がエキゾチックミュージックのマーティン・デニーのカヴァー目的で結成されたユニットである上に、細野氏は民俗音楽研究家でもあるので、選曲さえ間違わなければきっちり仕上がるのに不自然な点はないわけで。そしてその選曲は何とも通好み。東風、ビハインド・ザ・マスク、ライディーンなど王道を踏まえつつ、リンボ、ジャム、音楽の計画などファンならニヤリとできる選曲も。そして参加スタッフにはAkufen、MouseOnMars、TeiTouwaなど豪華絢爛。その上とどめにYMOのお三方も参加ときたもんだ。今迄あった数々のカヴァー、リミックスの中で、YMOメンバー自体が結集した作品はないだけに夢の作品と言えましょう。余談ですが、このアルバムリリーズに伴ってBehindTheMaskのシングルカットLPが限定版で発売されたのですが、気付いたらもう完売してました…ちくせう。

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わすれもの/Rei Harakami
レイ・ハラカミの最新作は、未発表曲から新曲までをコンパイルした一枚。ハラカミさんの凄さは何と言ってもメロディの組み方の上手さだと思う。近年のエレクトロニカはメロディもさることながら、「音」「音色」に凝る傾向があると思うのですが、ハラカミさんの曲は実は音色がかなり単調です。シンプルな音色にエフェクトをかけたりする程度で、ほとんどメロディで勝負している。最近さまざまなプロデュース活動をしているようですが、やはりこの「音色で語る」力が評価されているのでしょう。「opa*q」辺りから変わらない、どこか懐かしく可愛い音楽。「Lust」もそうでしたが、本作のジャケにおけるような素朴な風景を想起させる音楽。なんですが、先日これをチルアウトCDに任命して寝たところ物凄い悪夢を見たのはなんでだろう。(なんでだろうじゃない)

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ベスト・クラシック100/V.A.
クラシックはよくわかんない。でも日常にクラシックは溢れ返っている。ドラマ、アニメ、CM…タイトルが分かってもどんな曲か分からない。逆に、こんな曲なんだけどなんてタイトル?と思うことしきり。そんな中発見したのがこのコンピ。6枚組み3000円。無論安いだけあり、内容はほぼダイジェスト版です。ただ、「あぁ、これ聴いたことある。こういうタイトルなんだ」というような、私のようなクラシック初心者の入門用にはお手頃。しかし、元がイギリスだかのベスト版シリーズのようで、CDごとのサブタイにいまいちそぐわない曲が多いような。「元気が出るクラシック」に「トッカータとフーガ(バッハ)」とか「運命(ベートーヴェン)」は、日本人だからなんだろうけどとてもじゃないけど元気は出ません(笑)まぁ、パラパラめくるように流す分には充分すぎるボリュームです。余談ですがなんで最近殿馬さんはクラシックの秘打を出さなくなったのでしょうか(どうでもいいですね)

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コメント(3)

Senorとハラカミは買いました。わすれもの毎日寝るとき聴くけど悪夢は見ずに、逆に良く眠れる。個人差?

やっぱりにーさまもキチンと抑えておりましたな(笑)
わすれものは単にタイミングが悪かったのかも知れない…
今迄で最高のチルCDはBoardsOfCanadaのファーストかなー。

名前入れ忘れたー。上のはわたちでござりまする。

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このページは、九石はくねが2006年6月 5日 23:33に書いたブログ記事です。

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