しろねこ

●猫物語(白)読了。あまぞーんの発売予定では10/27、本屋を巡るも置いておらず、あまぞーんに予約メールを入れたが届かないうちに在庫切れという滅茶苦茶な経緯を巡るも、10/29にあまぞーんで在庫ありになっていて、発注したら初版が届いた。何があったんだ。

んで、感想は項を改めて。

 

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●まぁ、完璧過ぎて怖いというのが羽川の真骨頂であるからな。

まず、これまでのシリーズは当然ながら阿良々木暦が主人公であった一方、本作の主人公は羽川翼。これまで余りにブラックボックスであった羽川の様々な面が露になっていく。そうする事で、羽川という人間の「異常さ」が次々に発覚していく。聖人君子も斯くやという羽川の完全性は、不完全性を認識せず、切り離していたが故であった。これは奇しくも「めだかボックス」で触れられていた部分だが、完全な人間を作ったところで、「不完全性が欠けてしまう時点で完全ではない」という。あれだけ暦がラブを送っていようが、その暦自身が「怖い」と評する、その私生活を「気持ち悪い」と評するまでに、羽川は逸脱している。マイナス面を持たず、持っていても目を逸らして認識を否定する。最終的には自身から切り離す。そうして羽川翼という完璧超人が維持されていたのだ。本作はそうして生まれた「苛虎」という「怪異」との決着を以て、羽川はこれまでの「完璧超人」というアイデンティティを捨てる。捨てる事で、「人間らしさ」を持ったニュー羽川の誕生となり、幕を閉じる。

ぶっちゃけ、羽川の持つ危うさ、というのは前々から思っていた。奇しくも作中でひたぎが指摘しているように、あれほど無防備な人間が世界を旅するなど自殺行為だと思っていた。だけれど、これでもう大丈夫だろう。相変わらず眼鏡にみつあみである事は堅持して欲しかったのですが覆水盆に帰らず。

また、結局最後にいいとこを持って行ったとはいえ、これまでの主人公、阿々良木暦はほぼ登場しない状況が続いた。これは恐らくではあるが、忍野メメの言うところの「助けない、勝手に助かるだけ」という点を踏まえたものだろうか。即ち、刊行予定にほぼ全ヒロインが割り当てられており、西尾維新自身が「本作から後期」と後書きにて語るように、本作以降はヒロインそのものが主人公となっていくのであろうか。しかし次は八九寺真宵、来月刊行予定とあるが大丈夫なんですか(笑)

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このページは、九石はくねが2010年11月 2日 08:33に書いたブログ記事です。

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