ノイエ・ムジカ/November06

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Sunriser/ken ishii
4年振りとなるケン・イシイのニューフルアルバム。一応買ってみたが…前作での感想もそうだったのですが、「garden on the palm」や「jerry tones」の頃の輝きは結果として見られなかった。私がテクノに出会い、テクノを渇望していた頃のケン・イシイの清涼感、斬新感はもうここにはないのだな、と思って少し残念だった。カッチリとしていて完成度は高い。しかし、結局「デトロイトの未来」でしかないように思える。ターンソースとしては佳作だとは思うが、それ故に無難。無難故に目新しくもない。大外れではないけど大当たりでもない。

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Varcharz/mouse on mars
一方ジャーマンエレクトロニカの大御所、マウス・オン・マーズの新作は傑作でした。アンディ・トーマとヤン・ヴェルナーのユニットである彼らの音は常に斬新である。個人的に前作「ラディカル・コネクタ」はそれほど印象に残っていないのですが、このノイジーでダンサブルでユーモアもある一枚。忘れた頃に存在感バリバリ。というかもうマウス・オン・マーズデビューからもう12年なのね…私は当時から追いかけている訳ではなく、ほとんど「idiology」辺りからの新参ファンなのではありますが。まぁ、現在に至るまで(特にヤン)ソロ活動で大まかな方向性は提示してはいたものの、こう完成されてしまうと感涙である。Autechreがダンスであると標榜しつつも踊れる音楽とは掛け離れたエレクトロニカを紡ぎ出す一方、マウス・オン・マーズは呼ばれてもいないのにダンサブル。というか、優しいのかな、リスナーに。リスナーの要求をきっちり飲んで、自分たちの方向性は維持しつつも、それでいて綺麗にサード横をライナーで抜けていくツーベースヒットのような爽快感。懐古的でもあってきっちり新鋭。最近テクノからやや疎遠であったものの、いいものは矢張りいいものでしかないのだな、と思った一枚。久々に必聴に値する一枚。

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魔人探偵脳噛ネウロ ドラマCD
さて、トリは音楽じゃなくてドラマCDなのだけど、まさかまさかのネウロ降臨。しかしこれはスマッシュヒットです。CVがみんなベストマッチ(こと笹塚警部と吾代に関してはこれ以上無いほどのハマり具合)。原作の爛れた雰囲気はそのままに、お笑いもミステリもきっちりしている(こと、ミステリ部分に関しては音楽媒体である事を最大限に活用しているのが見事)。Xi(サイ)の絡みがやや希薄なのはやはり残念ですが、「突撃となりの愉快犯・CDヴァージョン」ではかのシェフ至郎田までも出演という心憎い演出も。しかも皆さんご期待通り、出されるメニューはドーピング料理です(笑)ジャンプドラマCDでは武装錬金も聴きましたが、ネウロの方は原作を下敷きにしつつも完全に一本立ち出来ているのは見事という他に無し。ファンなら必聴です。てかみんなマジでネウロ面白いから敬遠してる人は読んでみるベシ。

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このページは、九石はくねが2006年11月13日 23:53に書いたブログ記事です。

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