河野談話。なるほどね
宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官は31日、麻生太郎日本外相が日帝慰安婦動員の強制性を認めた「河野談話」を受け継ぐという自国政府の立場を明らかにしたと伝えた。
宋長官はこの日、済州道新羅(チェジュド、シルラ)ホテルで麻生外相と韓日外相会談を行った後、近くに設置されたプレスルームで記者会見を行い、このように述べた後「この問題(慰安婦動員)に対して改めて謝罪するという反応があった」と紹介した。
某A新聞がしきりに書き立ててたので気になって調べてみた。どうやらこれが原因で安倍首相が苦しい日米交渉をしてるのだそうだ。米国議会でもうんたらかんたら。でも、同じ中央日報3/26版では、
下村博文日本官房副長官は25日、日本軍が第2次大戦当時、軍隊慰安婦を直接徴集したという事実を否認した。
下村副長官はラジオニッポンに出演し「従軍看護婦と記者はいたが、従軍慰安婦はいなかった」と主張した。副長官は「慰安婦がいたことは事実で私はその一部は親たちが娘を売ったものとみている」とし「しかし日本軍が関与したという意味ではない」と述べた。
下村副長官の発言は軍の政府や政府役人たちが慰安婦強制徴集に「直接」関与した証拠はないという日本政府の主張を繰り返したものだ。安倍晋三首相政府は慰安婦に関する野党議員の質問に対する回答で、こうした内容の声明を16日発表した。安倍首相はそれとともにアジアの女性たちに性的奴隷を強要したことに対して日本政府が謝罪した1993年の河野洋平当時官房長官の声明を支持すると述べた。その声明は多くの場合、慰安婦は当事者の意に反して徴集され行政官吏らが徴集に直接参加した事実を認めたが、旧日本軍が慰安婦強制徴集に直接関与した事実をはっきりとは認めなかった。また慰安婦は主に軍の委任を受けた民間業者によって徴集されたと主張した。
…あれ?たった10日足らずで河野談話の内容が逆転してるんですが。もしかして逆転裁判4への布石か?(絶対違う)まー、最近の皆さんはなんとなーく把握してるとは思いますが、「従軍慰安婦」という単語は千田夏光の「従軍慰安婦」(1973)で生まれたとされており、当時からあった単語ではなく後付です(この問題を提示して問題化したのは「私の戦争犯罪-朝鮮人強制連行」(吉田清治/1983)とされているが、その内容は有り得ないと断罪したのは驚くことに韓国の済州新聞であり、後日著者もフィクションであった事を認めている)。まぁ戦地売春なんてのはあって当然だと思うし(南極弐號を持ち出すまでも無く、こういった隔絶された地域での男性の性処理問題はシリアスな問題だし、実際ベトナム戦争などでも韓国軍による強姦多発で発生した6千人に及ぶ混血児など枚挙に暇が無い)「ガス抜き」は仕方ない事だと思う。単身赴任なんかで買春するオヤヂなんかは問題外ですが、戦争に行ってるんだから、明日死ぬかもしれない身としてはせめてそのくらい許容してしかるべきだとは思うんですね。私は売春を否定しないし、それを商売として生活するならそれもアリだと思う。戦地住民との余計な摩擦を防ぐ目的でも、仮令政府側の先導があったにせよ、そういう「専用の施設」はあっていいと思う(「日韓共催W杯のつくる社会情報環境」というページには、面白い事にこんな発言が掲載されている。「ベトナム戦争時、米国の要請に応じて最前線で戦った韓国軍が残忍で、殺したばかりのベトナム人たちの内臓を取り出し、米兵などにもすすめながら食べた行為は現地ではよく知られている。それ以前にも韓国の軍隊が朝鮮戦争当時、軍として正式に「従軍慰安婦」制度を設けていたことを二〇〇二年二月二三日、韓国人学者、金貴玉・慶南大学客員教授が立命館大学における「東アジアの平和と人権」国際シンポジウム日本大会で発表した。金によれば、これは日本軍のやり方をまねたもので、韓国陸軍本部編『後方戦史(人事編)』(一九五六年刊)に「固定式慰安所―特殊慰安隊」として記述されているという。戦争になればひとは狂い、通常隠している面が出てくるということ、そして権力がやる(あるいは権力が民衆に仕向けてやらせる)ことと、その結果としての非道徳的な社会事象の問題についてはいずれの専制権力も必然的にもつ多層的性質として見ていかないと正確な位置づけはむずかしい。」要するに韓国側も「日本の模倣である事」を前提とした上で、従軍慰安婦を設営していたというのである)。「必要悪」ってやつです。だから別にGDPの5%を売春産業が稼ぎ出していたり、「キーセン外交」と称して娼婦を贈る様な外交をしても、それは受需があるからこそだと思うし、他国の常識で非難すべきではないのです。むしろそういう文化なのだと(その自国の伝統、歴史を完全無視して書かれたヤン・ビョンソル版「嫌日流」(嫌日流は紛らわしい事に作者の異なる二冊が発売されている)にて日本の性モラルに言及されているが、読んで頂ければどれほど「日本を知らず韓国を知らない作者」であるかはっきりする)。
ただ、売春を認めたからと言って解決できない問題だからこんな盛り上がっちゃってる訳で。最大の焦点は「強制か否か」であり、韓国側はこれを是としており、性奴隷という直球な表現をしています。まぁここが矢張りポイントなのですが、
●自称従軍慰安婦の発言を韓国側は公式ソースにしていますが、なにぶん高齢な為か発言内容が不安定(よくよく考えてみたら終戦当時に15歳と考えても77歳)。派遣先と年代が合致しないなんてのはまぁ致し方無いにしても…1944年から3年間台湾で慰安婦として働いた、という発言は…あんまり終戦に興味がないのでしょうか。
●有名な話ですが、元慰安婦を名乗るお婆さんが失効した郵便貯金の返礼裁判を起こした際に提示された金額(3年間で26145円)が当時の陸軍大将の3年間の収入より高かった(=約19800円。つまり年収6600円)という。性奴隷が軍の一番のお偉いさんより稼いでいたんですね(補足:これだけ稼いでいたのは事実なようで、否定されるテーマは「強制」「奴隷」のワードだけである点に注意)。当然の如く敗訴している。
●「国家総動員法」が発令されたのは1938年ですが、併合後の朝鮮半島にこれが適用されたのは1944年9月。また、翌年3月には事実上停止されており、国家の徴用が朝鮮半島に適用されたのは半年。これだけで朝鮮が優遇されていたのは目に見えてますが、この徴用には無論女性も含まれております。しかし、「挺身隊」というもの自体に「従軍慰安婦」というニュアンスは無く、基本は工場などでの労働がメインだったとされています。挺身隊=従軍慰安婦としたい韓国の方は多いようですが、少なくとも現状では挺身隊≠慰安婦程度。
●国家発言としての被害者数がアバウト。下手をすると日本軍の隊員より多い。20万人というのがポピュラな説なようだが、半年でそこまで必要になるものだろうか。
…とまぁ、なんとも胡散臭い話なんですね。話が脱線しましたので戻します。河野談話ってのはまぁ、その辺のデリケートでナイーヴな部分に全く配慮していないが故に問題になってる訳ですが、まぁ、また朝日が燃やし始めたなぁ、って感じでした。