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コミカ・リ・サイクル'07Mar

最近買った中古漫画。
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おはようKジロー29巻(完結)/水島新司
連載当時はそれほど熱を入れてなかった漫画、イーブックオフで2巻以外揃っていたので一挙購入(2巻だけは近所の古本屋で保護)。これでだいぶ水島野球漫画が揃ってきました。本作は野球部の無い冠高校へ入学した岡本慶次郎が野球部を再建し、延いては甲子園を制覇するというもの。相変わらずですが、水島野球漫画は単純な強豪高校と対戦という図式が希薄な場合が多いのですが、本作は自チーム自体が異色(野球経験者が全部員中3人で、他のメンバーはその他のスポーツのトップアスリートをスカウトしたというキワモノチーム)な為か、対戦高校も異色揃い。初戦ボーイを勝ち抜かせた補欠選手、ストレートを投げられないエース、甘い球を武器にした投手、近代的違反行為によりサインを盗む高校、最終的には五つ子の入れ替わりトリック等等。水島野球漫画に於いてもかなり趣向を凝らせた敵役のオンパレード。29巻という比較的長期連載にも関わらずラストがやや打ち切り染みた終わり方なのは恐らく水島先生の脳がドカベンプロ野球編へシフトしてしまった為かとは思いますが(笑)異色チームが甲子園で優勝なんてのはまぁありきたりではありますが、本作の主人公・Kジローの違反クラスの豪打・好守に最後まで説明は無く、全ては謎のまま(単純な大会当たりのホームランの本数なら、かのドカベン・山田太郎以上である)。ストーリー展開も野球というよりは、野球をテーマに据えたミステリのような感じ。「一球さん」とは全く正反対の展開の本作、せめて文庫で早く出して欲しかった(笑)(ていうか、一向に文庫など他の媒体での刊行が無かった為の古本揃えだったのです)

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砂漠の野球部11巻(完結)
実はKジローは送料無料にする為の冊数稼ぎで、本当はこっちが揃った方がデカい。サンデーで連載された、異色でありつつも王道の野球漫画。内容が濃いだけに余り連載時人気は出なかったようだけど、これはこれで佳作。神奈川の強豪高校へ入学したものの、ドロップアウトしたメンバーが、鳥取のオアシス学園へ越境転校し、甲子園を狙うというのが大筋。甲子園への道程の格差は今に始まったものではなく、千葉や大阪など密度の高い地区と、鳥取など過疎地区では、実に倍近い試合数の違いがある甲子園への道程。「転校した後は一年間公式試合不可能」など、実はかなりリアリティを追求している。エースは元々超高校級のストレートとフォークを持ち、プロも一目置く選手という主人公設定をしつつも、急激な成長で全てがダメになるという途中で物語を破綻させかねない展開をさせつつも、恐らく「現代野球漫画最後の魔球追及」というストーリへシフトさせる。普通「魔球」というとバッターを強引に捻じ伏せたり、或いは煙に巻いて討ち取るなどという「強気な投球」方面が殆どなのだが、本作に於いて登場する「サイレントカーブ」は文字通り変化球な魔球。方法論や、「結果を平均化させ、失点を2点に抑える」という平凡かつ強力な効果は斬新である。野球漫画ファンであれば一読の価値はある作品である。

■おまけ。
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今回の購入の際、Kジロー17巻に不具合があり(厳密にはカバーが少し破けていた)、代替品が無かった為に無料でくれました。こんな紙が挟まってましたが意外とレア?

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コメント

砂漠の野球部は名作ですな。今マガスペでやってる俺はキャプテンもかなりいけてますよ

同じ雑誌にのってるDreamsは・・・うーん・・

>やましん殿
俺キャプは手を出さなかったらけっこうな
巻数になってしまい、なかなか
手を出せなくなってしまいました。
面白そうではあるのでいずれ
買いますが(というか元々は
週マガ連載だったよねこれ?)

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