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死とあやかしの維新

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DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件
原作/大場つぐみ 絵/小畑健 作/西尾維新
やや不完全燃焼な感じが否めない完結をし、本夏には映画化もした、週間少年ジャンプに連載されたサスペンス、「DEATH NOTE」を西尾維新がノベライズ化。本作においてクローズアップされるのは原作前半のもう一人の主人公「L」と、初期に出てきた日本人FBI捜査官・南空ナオミ。ロサンゼルスで巻き起こる連続殺人事件「ロサンゼルスBB殺人事件」を軸として物語は流転していく。元々はミステリ畑の作家だけに、物語に関わってくる仕掛けはなんとも正統派。でも「赤ずきんチャチャ」とか出さないでも(笑)でも絡め方には吃驚したけど。結局本作も原作と同様、天才達の腹の探りあいである。そして、原作繋がりの人は必ず最後までミスリードされることでしょう。最後のどんでん返しにはちょっと吃驚した。豪華な装丁だけありやや割高感はあるものの、原作を踏襲しつつ、原作未読でもきっちり読める作品であるのは流石。

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xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル
原作/CLAMP 作/西尾維新
一方でCLAMPがヤングマガジンで連載中のxxxHOLICも西尾維新がノベライズ。「ランドルト環」に関しての説明は後書きにて説明されているので省きますが、一方の「エアロゾル」とは気体中に微小な液体・固体が浮遊する状態を指す言葉(厳密には、言葉的には液体の方を指す方が適当)。つまり、「ランドルト環エアロゾル」という一見意味不明な単語に、「人によって見えたり見えなかったりするモノ=あやかし」というメタファーが入っている辺りが流石に西尾維新だなぁと。こっちはいまいち侑子さんと四月一日の喋り方に違和感を覚えましたが、物語の世界観はきちんと踏襲している(まぁ随所に挟まれるヲタク的ネタに関しては原作をより進行させている西尾的味付けになってますが)。三話構成で、先の二本は原作に忠実な展開ですが、三話目は最終的には原作に戻るものの、かなりの変化球。ネタバレしてしまいそうなので多くは語りませんが、かなりイってます。知人は三話目を「いかにも西尾維新だ」と言っていましたが、むしろ私には「京極夏彦テイスト」と感じました。

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