●さて、毎回毎回直前まであまぞーん予約が出来ない西尾維新著作、今回は「傾物語 まよいキョンシー」でありまする。基本的に話がネタバレになってしまうので項を改めて。

110105.jpg

●まぁ貴様も一時期同人ではカット裏切りという二つ名まであったのであるからそう責めるな。しかしあれはどう考えても西尾の不手際であろうな。


●さて、内容について。怪異怪異と言っておきながら冒頭でいきなりタイムスリップって(笑)ある意味この辺はめだかボックスの悪影響とも思える。そしてカヴァーにもなっておきながら、真宵はほぼ登場しない。基本的に全編渡って暦と忍ばかり。その辺でもうタイトル放り投げである。悪ふざけ、とは行かないまでも、メタ的発言がかなり目立ってきているのはどうかとも思う。まぁ、本作のメインシナリオは「もしも八九寺真宵が死ななかったら」。結論、世界が滅びた。いや何の誇張も無くそうなんだから仕方が無い。未来に戻ってきたらすわバイオハザードな世界。ゾンビ(というより吸血鬼の成れの果て)が夜な夜な徘徊する世界。それは、行方不明の忍を見つけられなかった世界。「つばさキャット」のアナザーである。しかし、あのシナリオで真宵は「見掛けた」としか発言しておらず、その一点のみでこうも世界が様変わりしてしまうというのはいささか飛躍がし過ぎではなかろうか。そして、「まよいキョンシー」でありながらキョンシー解釈は最後の方で取って付けられたかのような釈明があるのみ。まぁ、これはいつもの風呂敷広げて畳み損ねたいつものでしょう(笑)まぁ、面白いには面白いんだけど、「ファンなら」の語尾がついてしまう一冊ではありまするね。