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壊れて囲われて

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●不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界/西尾維新
今月は何かと西尾維新が作品を乱発していますね。本作は「きみぼく」シリーズ第四作。シナリオとしては「不気味で素朴な囲われた世界」の14年後が舞台。女子高の教師となった串中弔士と、「病院坂迷路」の物語。なのです、が。本来西尾維新の作品は「若者」が主役だからこそ映える、と思う私には、今回の主要キャラがそれなりの年齢である為に所謂「萌え」要素が非常に少ない。それが、私が西尾維新の最高傑作の位置に置いている「きみとぼくの壊れた世界」、そして「不気味で素朴な囲われた世界」より、ライトノヴェル的なイメージが希薄で、一方ミステリとしても「表紙を含めた叙述トリック」を展開するものの半端な感じは拭えない。要するに、そこまで持ち上げるほどの作品ではなかった。「あの人は結局串中弔士の妻になってしまったのだな」みたいなサプライズはあったものの、結局それだけでしかなかった、という気がしないでもない。串中弔士の立ち位置からもして、どうにも淡々平々凡々な読後感でした。今はメフィストの「零崎人識の人間関係」第三話を読んでます。こっちは普通に面白い。やっぱりキャラ萌えありきなのかな。
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●安心せよ。次作「ぼくの世界」はくろね子さんの中学時代の話だそうだ。きみぼくのシナリオからしたらエロスもあるかも知れぬ。

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