カタナノカナタ#06-heavy weather-
刀語 第六話 双刀・鎚/西尾維新
薩摩で賊刀・鎧を入手した七花・とがめは尾張へ戻るつもりが、校倉必の手廻しの為に一路蝦夷へ。「双刀・鎚」を所有する凍空一族の住まう第壱級災害指定区域へ乗り込む二人だが凍死寸前に。それを助けたのが凍空一族の少女、こなゆきだった――。
「無刀vs怪力」とあるだけに、純粋な怪力のみで襲い掛かってくる相手というのは、「バキ」の花山のようにやはり脅威のようだ。本文でも触れられているが、定石の通用しない相手ほどやり難い相手はないだろう。それが達人クラスの使い手であれば尚更。そして本作で七花は「初めて」とがめの指令に反駁する。仮令それが「効果があるかどうか解らないが、あれば御の字」という「ついで」のようなタクティクスであったとしても。前回も書いたが、ここに来て七花の人間的感情が露になってきている。…というか完成されてきたか。しかし「持ち主は選ぶが斬る相手は選ばず」という「刀」としての無常さは相変わらず。そして、今後への「引き」としてラスボス及び最後の「刀」(…ってかあれを「刀」としちゃったらどうか…って感じはするんだけど、まぁこれも最初に書かれた12本の二つ名からして当然の帰結ではあると思うんだけどそれでもなぁ)、更には次巻の相手とその恐るべき強さ、その結末までもラストに記述されている。そこまで「引き」でバラしてしまうのはどうかなぁ…とは思うんだけど、その相手が錆白兵並みの反則キャラなので、錆のような「禁じ手」がもう使えないと考えると(二度やったらもう干されると思うしね(笑))どう書いていくか、は普通に楽しみであります。