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最近読んだ小説をば。
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武装錬金//(ダブルスラッシュ) /黒崎 薫
一部でカルトな人気を誇りつつも、最終的に打ち切りの憂き目に逢った和月伸宏の中篇、ノベライズ。TVアニメにもなっているので集英社側も打ち切りはある程度の失策と見ているのはある程度確かなのでは。閑話休題。本作は原作でも度々その名が出てくる黒崎薫氏によるノベライズ。内容は原作で触れられた「照星部隊」(大戦士長・坂口照星率いる、火渡・千歳・防人)の「唯一の失敗任務」についてがほぼ殆どの尺を占める。10巻の「アフター」でも述べられている通り、これが斗貴子さんの出自にも関わってきています。10巻まで読破していると首謀者のホムンクルスはバレバレなんですが、それ故に前半のほのぼの雰囲気は一挙に奈落へ堕ちる。キャラの描写や、後々の防人のポリシーなどがどこから影響を受けていたか、など原作では触れられなかった部分を読めるのは興味深い。ただ、やや疑問が残る点として、何故「千歳を学校に配備したか?」という点。本編でも述べられていたが、「餌場として学校を襲撃するケースが多い」事がデータとして残っているのであれば、武装錬金として直接戦闘力が得られない千歳(ヘルメスドライヴ=ワープ特性)を配備するのは戦略的に如何なものか?というのが最後まで引っかかった。照星部隊で教師に適任だったから、というのはまぁいいとして、疑いがあるのであればもう少し戦闘要員として教師に向く人物を改めて使用するというのが良かったのでは?と思ってしまう(まぁ、開始時にホムンクルスの巣窟は別と見積もられていたので、結果として千歳が配備されたのではとは思うが)。その一点以外はほぼ文句無しに読めました。オチもついて良し。カズキ-斗貴子さん濃度はやや薄いですが。「//(ダブルスラッシュ」と云うのも原作が10巻完結である分頓知が効いてていいですね(装丁がコミックスそっくりだったので、最初本当に11巻が出たものと思ってしまった)

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BLEACH THE HONEY DISH RHAPSODY/松原 真琴
BLEACHノベライズ第二弾。第一弾はコミックス初期を普通にノベライズしただけの物だったので正直目新しさは全く無かったのですが、本作はきっちりコミックスのエピソードの「外伝」となっている。時系列としては藍染惣右介以下が尸魂界から去り、一護達が現世に戻るまでの間のエピソードとなっている。早い話がルキアを中心に展開される「尸魂界の日常」。兄・朽木白哉の為に四苦八苦しながら料理を作るルキアを主軸とし、十一番隊、四番隊、日番谷と乱菊等等、平時の風景が垣間見れる。というか夜一さんが来て骨抜きになってる砕蜂萌え(笑)ただ、残念な点として、「描き下ろし」と謳っているにも関わらず、カットのコミックスからの流用が余りにも多く、場にそぐわないカットが散見されるのがやはり惜しまれる。

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零崎軋識の人間ノック/西尾維新
2004年の「零崎双識の人間試験」に続く、「人間」シリーズ新作…とは言え、構成はファウスト掲載の三本に書き下ろし一本というお決まりの構成。「戯言シリーズ」にて人気を博した殺し名序列三位、「零崎」が一人、「零崎軋識」にスポットを当てたのが本作。「人間試験」とは異なり、どちらかというと「零崎」という「名」のパーソナリティにスポットを当てた感じ。「ノック」というだけあり、二本目、三本目の「竹取山決戦」は戯言シリーズにも登場した人外魔境どものオールスター戦の様相。零崎、匂宮、闇口という「殺し名」と、紫木一姫の師匠にして初代病蜘蛛・市井遊馬、三つ子メイドの一人千賀てる子、西条玉藻などなどを盤面に駒として操作する在りし日の萩原子荻。戯言シリーズファンには感涙モノです。ただ、書き下ろしは「零崎軋識」としてではなく、もう一つの通り名として活動する彼にスポットを当てたストーリとなっております。まぁそれでも闇口・石凪、その上に請負人までも登場するので一筋縄では行きませんが。そして、零崎が展開する「人間シリーズ」、2007年には「少女趣味」零崎曲識を主軸に据えた新シリーズ「零崎曲識の人間人間」がメフィストにて連載決定。

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化物語(上)/西尾維新
「戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と云える物が存在しなかった。」―「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」の三本から成る作品群。基本は「怪異」に侵された少女に関わるお話。しかし、怪異とは云ってもその解決策は京極堂シリーズのように込み入ったものでもなく、飽くまで雰囲気はライト。と云うより、作者自身が後書きにて述べている通り、この作品のキモは「掛け合い」である。小気味良い言葉遊びや洒落を詠ませる作品。普通に面白い。暦(主人公)は神原駿河を「今までに無いキャラ」と言っていたが、私は病院坂黒猫に似ているなぁとは思いました。下巻は12月発売予定。というか、2007年は新シリーズ「刀語」シリーズ12ヶ月連続リリースだそうで。いいのかなそんな大風呂敷(笑)てかりすかは?(笑)(一応「刀語」シリーズに関してはある程度きっちり出そうな感じであるらしい)

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