●ほんとな。「お薬手帳」というシステムが出来てもう10年以上経過しますが、未だに何なのか解っていない患者の多いこと多いこと。メリットや重要性を幾ら説明しても「有料ならいらない」「面倒臭い」「いつも同じ薬だから必要ない」などなど。作っても毎回持参してくれる人の割合はせいぜい40%位。更に適正使用している人はまた少ない。政府が進めるのは解るよ。薬局としてもこれがあるだけですごい助かるんだ。だけどさ、その説明を全部薬局に丸投げでは......。前から何度も言ってるんだけど、NHKにお薬手帳やジェネリック、かかりつけ薬局というものを説明する番組作って毎週流してよ。こういうシステムが解らない層は、ほぼTV視聴層と重なるんだから。それがあるだけで認知率は段違いだと思うよ。「お薬手帳断るとお得」とかほざくマスゴミもいるんだよなぁ......。お前らそうやって患者を扇動して、服用歴のチェックが出来ないで危険に晒した場合の責任とれるのかと。最初のツイートの漠然と「血圧の薬」って言うのももう困るんだけど、酷い場合は自分の飲んでいる薬が「何の薬か」解っていない人までいる。「ほら、あれだよ、白い粒」とか言われても、白い錠剤だけで何万種類あると思ってるんだと。しかし、手帳作成は薬剤師の努力義務なのに、強制力は無くて、患者側に拒否権がある。いらない、と言われてしまったらこっちはそれ以上踏み込めないんだよ......。
あとこれな。この時は敢えて言わなかったけど、本気で私怒ってたから。ごくたまに患者にもいるんだよね、何とかして酒を飲みたいていう人。そしてそういう人はほぼ薬を見るとお酒アウト。これも、薬剤師には服薬指導は「義務」だけど、一方で医師のような法的強制力が全く無い。なので説得するしかない。話を聞くと滅茶苦茶な飲み方をしている患者はそれほど珍しくない。そういう人の判断基準は基本的に「自己判断」「他人(非医療従事者)の助言」「雑誌やTVの情報の鵜呑み」「過剰なまでの副作用への恐怖感」というのが主。薬剤師の説明をきちんと聞いて納得してくれる人も無論いますが、現実問題として、薬剤師や、果ては医師までも、そういった「素人判断」より軽んじられているのが事実。医師は盲信しても、薬剤師は信用しない人も多い。「医者に言ったのになんでお前らに説明しないといけないんだ」ってね。まぁ、心情は解らないでもないけど、薬剤師の仕事の一つは、患者の発言と処方箋内容の「答え合わせ」なのです。処方箋には病名が書かれていないので、一部の薬と病名が直結する例を除き、患者の話が聞けないと、薬が適切かどうか判断できないのです。実際に、病院によっては、見当違いな薬が処方されている処方箋が毎日来たりする。「医師は間違えない、絶対だ」という人もいる。でも、医師も人間なので間違えますし、普通処方箋を書くのは、医師の指示を受けて「他の職員が代筆する」なのです。その連携に失敗することがすごく多いのです。「何で薬局があれこれ聞くんだ?」という方々。「そういう間違いをフィルタリングするのが薬局」なんです。単に処方箋を見て、薬を渡すだけの部門じゃないんです。そこをせめて、理解して頂きたい。
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●薬局が死に物狂いで65%達成すれば「じゃあ次は80%いこうか」ではな......。ジェネリックも、名前に馴染みが無い上に、年寄りにはシステム自体が理解出来ぬ。官民の齟齬が埋まらぬまま、医療制度だけを進められてはな......。なお、我がギャルゲーム帝国は薬剤の特許を認めず最初からジェネリック出し放題にて大手メーカー大損にて末期。