●さて、未だに積んでる漫画が山盛りの状態でナニですが、あんまりメジャーじゃないけど面白い、という漫画をちょっと紹介してみようかな、と思います。飽くまでうちの主観ですけどね。

 ★くすりのマジョラム/鈴城芹

主人公の女の子は魔女っ娘で薬剤師で26歳。もうこの段階で意味不明ですが(笑)ラムちゃん26歳でこの幼女属性は凄い。ていうか本気で可愛い。魔女なので魔法の薬とか作るけど、飽くまでリアルな薬剤師という点をちゃんと踏襲しており、魔法だとてそれなりにシステムをちゃんと設定している。こういう辺りはうちが薬剤師だからピンとくる点なのかも知れないけど、でもそんな前知識無しでも普通に面白い佳作。ドラマCDのラムちゃんの声も可愛い。

 ★百合星人ナオコサン/Kashmir

Kashmir氏の漫画はどれも面白いんだけど、敢えてこれを。今のギャグの通常フォーマットたる常人一人、後は全員おかしいという王道だけど、その捻れ具合がかなり凄い。ちょいエロでもまるでエロくないのも凄い。ネタも中々マニアック。敢えて「○本の住人」をチョイスしなかったのは、3巻の限定版DVDのアニメがツボ過ぎた為。新井里美さんの演技と声は実にいい。と思ったら来年DVD& BD発売だそうです。買わねば。

 ★花のズボラ飯/久住昌之原作、水沢悦子画

うさくんの作品としては変化球ながら、イチオシの「しあわせももりんご」の1巻がプレミヤなので(というより、うちも入手出来ていない)こっちを。「ズボラ飯」とあるだけあり、夫が単身赴任中の奥様、花の織り成す、別段豪華じゃない、ていうより寧ろ貧相ながらもべらぼうに美味しそうな料理の数々、そしてそれを実に美味しそうに食べる花。料理漫画の中でも、これだけ美味しそうに自作の料理を食べる漫画は無いのではなかろうか。まぁこれはもうプチベストセラーになっているので今更なアレですが、冒頭の通りの理由でこれにしましたァん。でもマコちゃん絵日記も脳みそやわらかいも面白いよ。

 ★キルミーベイベー/カヅホ

きららの漫画は中途半端につまらないか、実に面白いのかが極端だ。まぁ元より萌え方面を狙い撃ちしたフォーマットだけあり、単に女の子が可愛いだけ、という作品が多いからなんだけど。そんな中、本作は普通の女の子、やすなと殺し屋のソーニャの織り成す学園ドタバタ漫画。いや、色々突っ込みたいだろうけどきららはこんなんだろう(断言)。しかししかし。初期こそ「殺し屋」という肩書きのソーニャをおっかなびっくりいじっていたやすなも、3巻ともなると最早チキンレースも真っ青な暴れっぷり。もう殺し屋という設定はどっかに吹っ飛んで、いないんだよなぁ(笑)寧ろ殺し屋たるソーニャのほうが常識的な振る舞いをするようになる顛末。スラップスティック具合は程よく、ムヒヒと笑えるタイプのゆるゆるギャグ漫画。

 ★ももえサイズ→電撃ももえサイズ/結城心一

未だなお多方面で活躍する結城先生ですが、敢えてその原点を。博物学、アニメ、漫画、物理学などなど、縦横無尽にネタを食らい尽くす展開は、後半になると相当グダグダになりますが、それでも、うちの好みにも合致するので実に面白い。最近ではまとちゃん→ちろちゃんも実に面白いが、あれはトータルで5冊と紹介するのにバランスが悪いのでこっちに(笑)

 ★HERO/前田治郎

麻雀漫画、というよりギャンブル漫画の大家、福本伸行の作品は、スピンオフなども含めて多岐にわたる。そんな中、麻雀漫画として敢えてこれを。大本は福本の「天-天和通りの快男児」。その作品には色々クセのある雀ゴロが出てくる訳です。最たるものは、その後スピンオフ作品となり、現在まで連載が継続されている「アカギ」の赤木しげる。「アカギ」からは更なるスピンオフとして「ワシズ」も出ている。そちらもかなり面白いけどあっちはけっこうメジャーだと判断(そうかなぁ)。んで、話が大幅に脱線しましたが、この作品の主人公は、その「天」でも、最後まで関わり合ったものの、それでも「普通」を脱却し切れていなかった「ひろゆき」。その後、赤木しげるを「継ぐ」者としての話。麻雀漫画は大体大まかなカテゴリがあり、「豪運で勝ちまくる」「手の読み合い」「比喩的な闘牌」などなど。そんな中でも、「読み合い」麻雀漫画の一つのカテゴリとして、サマや打ち方などの謎を解く、言うなれば「ミステリ麻雀漫画」というジャンルがある。メジャーどころなら「哲也」が途中からこの形式にシフトしていたが、本作は徹頭徹尾、「ミステリ」に徹している。だからこその、理で打つ打ち手のひろゆきらしい漫画である。赤木しげるから、理に反した部位を取り払った、実に組み立てられた麻雀ミステリ、それが本作。

 ★ゆるめいつ/saxyun

saxyunの漫画も、空想科学xとどっちを出すかで悩んだ。こっちアニメ化しているし、売れてるらしいけど。予備校生達の集う安アパートのダメなお友達の織り成すグダグダな世界。前述の結城心一先生もそうなんですが、この人も特有の「間」の使い方の上手さがある。キャラは可愛いけど、それに反比例するかの如きダメ展開。ゆるふわ系というならこれこそまさにそうなんだけど、そうなんだけど萌え要素は実に低い。

 

111018.jpg 

 ●まぁ、思ったよりもマトモなチョイスになっているとは思うが。メジャーじゃなくて面白い、というのを探すのは今はもう難儀なのであるが。