●ジョジョ25周年ノベライズ第一弾、「恥知らずのパープルヘイズ」読了。手掛けるは「ブギーポップ」でラノベの世界を変えた一人、上遠野浩平。舞台は第五部、主人公はブチャラティチームのドロップアウト、パンナコッタ・フーゴ。というか、フーゴのノベルは既にかなり昔に出ており、そして黒歴史扱いされており、さてさてどうなるか、と思いましたが、其処は流石だった。感想はネタバレになるので項を改めて。

更には今年中に、第二弾として西尾維新によるノベライズも予定されています。ムックでは荒木御大と対談を果たすなど、自他共に認めるジョジョフリークの西尾がどう書き切るか、今から楽しみでもあります。

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●ボケも無しに予想するが、第六部、それもプッチが主人公とかではどうであろうか。大穴はシュトロハイムが主人公。


●さて、舞台は本編から半年後。ディアボロが始末され、ジョルノがボスとなったイタリア。フーゴは「裏切り者」としての汚名を濯がされるべく、パッショーネの負の遺産、麻薬チームの壊滅を命ぜられる。同行するシーラE、カンノーロ・ムーロロはいずれも一癖あるスタンド使い。当然ながら、相手のチームも全員スタンド使い。リーダーのコカキのスタンドは、実質的に第七部以降の設定的なものであったり、石仮面が登場したり、麻薬チームの中心人物の兄が実はあの男だったりと、五部のみに縛られない、まさにトリビュートと言うに差し支えがない展開のさせ方。前に出たノベライズとは異なり、フーゴの内面にかなり食い込んだ意欲作。フーゴがキレる理由、ボートに乗らなかった理由、ナランチャを理解出来なかった理由。そういう所をしっかり描写している。それぞれの新キャラは各扉絵で、スタンドも本編コミックスのようにちゃんと図解されており、完成度という点では実に高いと言えると思います。