●12/04
漫画・アニメ中での暴力表現も「非実在犯罪」として規制に...都条例の問題点

第156号議案「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」の条文のうち、一番、「基本」になっているのが、第7条第2号という条文です。
二 漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの(平四条例一九・平一三条例三〇・一部改正)
前にも述べたとおり、「刑罰法規に触れる行為」は要するに犯罪ということです。しかしながら、犯罪を犯すことと、「犯罪について表現すること」は違います。「犯罪について表現すること」を規制の論拠にすることは、危険な一線を越えることになります。
暴力、薬物、組織犯罪等、何でも規制の対象となることを可能にする危険な先例を造ってはいけません。「非実在犯罪」規制はいらないのです。
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/12/post-b9ed.html

松文館事件の弁護士でもある山口氏の見解。後はスレを見れば、「どんなモノが生き残るのか。何が抹殺されるのか」は判然とする。

12/05
矢吹健太朗のToLOVEるダークネスが「エロすぎる」と話題に

ToLOVEるのスピンオフは実にエロかわいくて宜し......、えふん、もとい、けしからんのです。でもこのエントリで表示された画像は実物を読んでいない人に対して恣意的に感想を誘導させるような感じ。実際にこの5枚のカットのうち、ヤミの画像はモモの脳内、残りの4枚はリトの脳内の画像。故に、「漫画の現実では一切何も起こっていない」。そういう事を考える事が害悪だとでも言うなら、中二病作家全てを敵に廻すと思うべし。石原の指すような漫画が正にこういうToLOVEるみたいなモノを言っているのだとは思うが、

漫画規制、再び

 「100歳の魔法使いが少女に変身したことにすれば」「学ラン姿だけど留年した成人男性の設定で」―。順法精神のある漫画家や読者は真剣に考えた▲
 「非実在青少年」の響きに痛快さと危うさを察知したからだ。東京都の青少年健全育成条例。漫画やアニメ、ゲームの登場人物の性行為を規制する前代未聞の改正案は否決された。が、あの文言を削除して12月都議会に再提案されている▲
 問題は言葉ではなく、表現内容への公権力介入だ。いわゆる不健全図書をめぐる議論は出尽くし、指定制度による制限も機能している。都の意固地ぶりは米国のダーウィン論争や中絶論争をほうふつとさせる▲
 新しい改正案は「刑罰法規に触れるか、近親者の性交を不当に賛美・誇張して描写したもの」を対象に、青少年への販売を禁じる。明らかに規制の網が広い。弟と結婚したクレオパトラの物語さえ、さじ加減で摘発するのか▲
 たとえ規制が強化されても心配な親は言うだろう―「漫画なんて読まずに勉強しなさい」。その言葉、そのまま都に贈りたい。2次元世界にのめりこまず、現実の犯罪と向き合いなさい▲
 「石原慎太郎知事が小説家としてどういう作品を書いてデビューしたかもご存じだと思う」―改正案に反対する漫画家ちばてつやさんの談。そう、知事の小説をもとにした映画がきっかけで映画倫理委員会は発足した。

愛媛新聞てばお茶目さん。ToLOVEるは、中二漫画としては実に良く出来ている。こういった微エロでのガス抜きくらいさせてやればいいのに。うちがその位の時、こんなポジションにあった漫画は......。BASTARD!!とかかな。ていうかうちも中一でエロ漫画買ってたけどなぁ。それはそれでどうかと思うけど。

12/06
「テレビなんかにも同性愛者が平気で出る」...都知事、アニメ漫画規制に意欲

この辺りからあからさまに石原が壊れ始める。

東京都内のPTA団体などが3日、都青少年健全育成条例改正案の成立を求める要望書を都に提出した。石原慎太郎知事は「子供だけじゃなくて、テレビなんかにも同性愛者が平気で出るでしょ。日本は野放図になり過ぎている。使命感を持ってやります」と応じた。
要望したのは、都小学校PTA協議会(都小P、加盟248校)▽都私立中学校高等学校父母の会中央連合会(同246校)など5団体。
都小Pの新谷珠恵会長が「児童を性的対象にすることが野放し状態。子供を健やかに育てるため、社会の力を借りないと環境整備できない」と説明した。
一方、学者や評論家らは改正案への反対を訴えて都庁で記者会見した。
藤本由香里明治大准教授は「時代物やSF漫画のキャラクターにも現代日本の刑罰を適用するのか。現実とフィクションを区別しない危険な発想だ」と強調した。
児童文学者の山中恒さんは「日本の官僚は拡大解釈にたけている」と危惧した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101204-00000006-maiall-soci
実写も駄目になった模様です。ていうかこれは単純に差別発言だよね。

ていうか自分のガキの教育を社会に丸投げすんなよ。最終的なこの問題の着地点は「親が責任をしっかり持つ」という事なんだけどな。判断基準だとか善悪の観念なんていうのは親の教育する最低限の責任。それを放棄しておいて社会の力とか片腹痛い。

12/07
「漫画好きは人生行き止まり感じてる人が多い。現実の生きてる女を口説け」...猪瀬・東京都副知事

 マンガの関係が好きな人のなかには人生が行き止まりと感じている人が多いという印象を受けます。生きている女を口説きなさない。瞬間、瞬間、言うことが予想外に変わるから、そのほうがおもしろくて未知で愛おしいよ。
http://twitter.com/#!/inosenaoki/status/11816092657786880

猪瀬直樹
@inosenaoki 東京
作家・東京都副知事。

http://twitter.com/#!/inosenaoki

この人は作家なのに、しかも漫画原作やってるのに、何で漫画を読んでいるのか理解していないのか。ヒラコーも似た事ツイートしてたけど。ええ、うちは二次コンなので人生行き止まりで結構です。そもそも現実の恋愛の代理で漫画を読んでいる訳ではないけど、現実には正直興味が無い。

12/08
角川書店が石原都知事に宣戦布告 「東京アニメフェアへの出展を中止する」

さてこの度、角川書店は来年の東京アニメフェアへの出展を取りやめることにいたしました。マンガ家やアニメ関係者に対しての、都の姿勢に納得がいかないところがありまして。
6分前 webから
HP0128 井上伸一郎
http://twitter.com/HP0128/status/12410676093911040
※東京アニメフェア 実行委員長 石原慎太郎
http://www.tokyoanime.jp/ja/info/about/
終に出版社がキレた。まぁ、さもありなん。一年前の条例の時には、出版社は見に廻っていて、矢面に立っているのはほぼ作家だった。何故出版社は立たなかったのか。そう言われていたのだから、これは至極真っ当な流れではあるのだけれど。

12/09
角川以外の某大手も出展取りやめるらしく東京国際アニメフェアの開催が危うくなってる模様

そして、出版界が重い腰を上げた。

12/10
角川書店に続き、集英社・小学館・講談社も東京アニメフェアをボイコットへ

一気に連鎖が熱くなった。10社一気にボイコットへ。

マンガ・アニメの表現の自由を奪うとして、日増しに反対の声が強まっている、東京都青少年健全育成条例問題。一時は、立場を変え全面賛成に鞍替えするともされた民主党でも、新・改定案に反対する都議の声は強く、最終的な結論は出せないでいる。
こうした中で12月8日、角川書店の井上伸一郎氏が「都の対応に納得できない」として、東京都が主催する東京国際アニメフェアへの参加を取りやめることをTwitterで表明し、注目を集めた。
角川書店は、関連するアニメ製作会社などにも、参加取りやめを呼びかけているとされ、東京都が開催する国際イベントは、存亡の危機に立たされることになりつつある。
そして本日、東京国際アニメフェアをボイコットする動きが角川書店だけではないことも明らかになった。新たに態度を表明したのは、角川書店と同じく、多くのアニメ原作コンテンツを所有する、集英社である。
出版社で構成されるコミック10社会(集英社、角川書店、小学館、講談社、秋田書店、白泉社、少年画報社、新潮社、双葉社、リイド社で構成)に配布された文書によれば、集英社はアニメフェアには出展していないため、原作を提供しているアニメ製作会社に、出展取りやめを要請したことを表明。既に、小学館・講談社には「おおむねご賛同をいただいている」として、10社会各社にも賛同を求めている。

これを読む限りだと、ボイコット確定は角川と集英社関連ですね。小学館、講談社は概ねの賛同。その他6社は賛同を求めている状態。つまりまだ確定ではないけど、この10社全部ボイコットしたら何が残るのか。

※↓分かり易い、ボイコット前後の出品比較Fromオフィシャルポスター。

 

101211before.jpg

                     ↓

101211after.jpg

ほぼ半減しますね。

実行委員長 石原慎太郎(東京都知事)

「東京国際アニメフェア2011」を平成23年3月24日から4日間、東京ビッグサイトで開催いたします。

世界中の多くの人々から愛され、高い評価を受けている日本アニメの振興と育成を図るため開催されてきたアニメフェアも、今回で10周年を迎えるに至りました。回を重ねるごとに質・量ともに充実し、前回のフェアでは過去最高となる13万人を超える来場者を記録するとともに、商談の場となる「見本市」では、海外59社を含む244社の出展をいただきました。正に世界のマーケットとしての評価をいただけたものと考えております。改めて感謝申し上げます。

今回も、「見本市」のほかに、国内外のクリエイターによる創造力溢れる作品が競い合う「コンペティション」、最新のビジネス情報を提供する「シンポジウム」や才能ある若手クリエイターたちがアマチュアからプロへ、さらにメジャーへステップアップするためのビジネスチャンス獲得の場となる「クリエイターズワールド」を展開します。また、お子様からお年寄りまで幅広い年齢層の方々が楽しめる各種イベントなども盛大に繰り広げられ、世界中のアニメファンをはじめ、多くの皆様に日本アニメの素晴らしさを知っていただける絶好の機会になるものと確信しております。

本フェアが、ご出展される皆様と世界中の業界関係者との素晴らしい出会いの場となることを期待するとともに、コンテンツ産業に携わる皆様をはじめ、多くの方々に日本アニメの魅力とパワーを感じ取っていただければ幸いです。

こんな心にも無い事を並べてて片腹痛い。

漫画規制、パンフ作成へ

東京都、条例案可決の場合
子どものキャラクターによる露骨な性行為を描いた漫画やアニメの販売・レンタルを規制する東京都青少年健全育成条例の改正案を巡る質疑が9日、都議会総務委員会で行われ、都は、成年コーナーへの区分陳列に加わる漫画の内容などを具体的に示す解説書や一般向けのパンフレットを作成する方針を明らかにした。

 同委員会で、民主党議員が「創作活動の萎縮につながるという懸念を抱く出版関係者が多い。どう不安を払拭するのか」との質問に対し、都は「条例案はこれまで通り、18歳以上への販売を規制するものではない。(区分陳列に加わる)範囲について懸念を抱く人もおり、改正案の趣旨に理解を得られるようにしたい」などと述べた。条例案が今回の議会で可決された場合、今年度中に解説書などを作成するという。

2010年12月10日  読売新聞)

 色々とおかしい。頭とか。

 さて、本決議までもうちょいですが、どう動くかね。さて、「騒ぎ過ぎ」だと思われるかも知れませんので一応「こういう事例がありました」という事件を載せておきます。

1994年、漫画規制から同人イベント追放まで盛り込まれた千葉県青少年健全育成条例改正によって起きた「コミックシティ・幕張メッセ中止事件」
「1994年にコミックシティ・幕張メッセ中止事件がありました。千葉西警察の圧力で8000サークル集まったイベントを当日に中止しました。 その時に警察に言われたのは"少年ジャンプも18禁だ"。 拡大解釈というのはここまでやるんです」(コミックシティ主催者の話)。

101211.jpg

●それさえ出せば丸く収まると言うに、拡大解釈可能な条文を一向に訂正せぬからこの騒ぎなのであるがな。まぁ、石原は最後の最後でバグったとするか。