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北斗の拳完全版7巻8巻/武論尊・原哲夫
北斗の拳の敵役といえば数々あれど、ラオウほど強烈で痺れる男はいないと思う。力で世を統べようとしながらも、非道であっても卑劣じゃない。飽くまで正面から立ち向かう強敵。そんな対ラオウも完結。最後の最後でいい奴になってしまう敵が跋扈する中で、最後まで自分の道を貫き、天に帰る。この後も続く北斗の拳ではあるが、最終的にラオウの牙城を崩す男はついぞ現れなかった気がする。そういう印象が強い。まぁそれは私の記憶が薄れている故かも知れませんが。

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犬ガンダム・地上編/唐沢なをき
SFロボットアニメの金字塔、機動戦士ガンダムを唐沢なをきが大胆にリミックス。人物はぜんぶ犬。モビルスーツは張子の虎など郷土玩具。もう何がなにやら(笑)展開は本筋をなぞりつつも、原作で死ぬ人々(ガルマ、ランバ・ラル、マチルダなど)は悉くなんとなく生きている。そして犬だけに本能に忠実に生きつつ戦うという非常にゆるい漫画に仕上がってます。よく言うとゆるい、悪く言えばぐだぐだです(笑)ただ、やはり原作付という事で、元ネタが分からないといまいちピンとこないネタも多いので、機動戦士ガンダムTheORIGINと合わせて如何でしょうか(そういう締めはどうかと)。

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こどものじかん#1/私屋カヲル
子供は無邪気だとか、腕白でもいい逞しく育って云々なんてのは結局大人の勝手なカテゴライズでしかない。子供にも思うことなんて一杯あるのです。ただ、大人みたいな「ストッパー」がないので暴走し勝ちなのは無邪気を通り越して一種の恐怖すら感じる。逆に言うと、思考が進んでいる子供なんてのは下手な大人よりずっとタチが悪い。これはそんなお話。新任の先生に徹底的なアタックをかける小学三年生、九重りん。ただし、前述のテンプレートをふまえ、アタックは強烈。そうなると微笑ましさは既に通り越し、人間として悩む先生にちょっと憐憫の情すら浮かんでしまう。漫画なのでみんな可愛いけど、リアルで考えてみたら怖いですよ(笑)