今回もまた今月買った漫画。

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最強伝説黒沢#8
福本伸行が贈るショボい親父の物語りももう8巻。普段はやることなすこと裏目の冴えない独身オヤジの黒沢だが、決めるところはビシっと決める。ある意味、現代の時代劇。そこを福本節で脚色しているのだから、ドラマとしての完成度も高い。ギャンブル漫画が特に有名な福本氏の著作ではあるけれど、氏の他の作品は大抵主人公が「一歩先んじた」所謂超人的ヒーローである一方、本作の黒沢はなんとも親しみの持てるキャラクタ。これが成功している理由はやはりプラットフォームが青年誌なわけだとは思いますが(逆にプラットフォームの為に失敗したのが「涯」だと思う)シンパシーを得るにはまだ若輩の私にも面白いと思えます。適度なリアリティに裏打ちされた、本当の意味での成人向け漫画。

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アカギ#18
TVアニメも好評の麻雀漫画。黒沢と同じく福本伸行著。本巻にて鷲巣に大物手が舞い降りる。この圧倒的致死手役にアカギは果たしてどう立ち向かうのか?出たばかりなのにもう次が気になって仕方ありません。福本氏のギャンブル漫画は、基本的に馬鹿馬鹿しい展開というものが極めて希薄で、ある程度の「裏打ち」がなされている部分で他を圧倒します。例えば麻雀漫画なら「哲也」なんかが特にメジャーだとは思いますが、福本作品では理由もなしにヒラで役満がポンポン出たりはしません。逆に、解説でもないと非常に地味な攻防が多く、そこがまたリアルなのです。麻雀を知る人には出来れば読んでもらいたい作品。シビれます。

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蟲師#7
アフタヌーンで展開されている、「蟲」を巡る幻想的な漫画。生命の原初にあり、それでいて「生物」とは一線を画する「蟲」。様々な形態を持ち、様々な現象を司るこの「蟲」と、古き良き日本のような世界観が相まって、何とも云えぬ美しさを醸し出しています。美しくも儚く、恐ろしくもある、現代の大人にもよく馴染む童話とも言えましょう。